のんびりな短気。

釣り上手は短気らしい。
本当かどうかはわからないけど、釣り好きの知人を見ていると思いあたる。
その人は車に乗ってエンジンをかけるまでのスピードが恐ろしく早い。
短気と言うよりせっかちなのかもしれないが、
動きの鈍い私は車に乗せていただくたびに焦りまくりだ。
その人を見ていて「釣り上手は短気」の意味を考えてみた。

釣りが魚との勝負だと考えれば、
魚がかかるまでは只々のんびりと待たなければならない。
が、しかし、魚が針にかかった途端一瞬の勝機を見逃さず、
魚を釣り上げる体勢に入らなければ勝負に負ける、
つまり魚をゲットできない。
この一瞬の勝機を瞬時に見破り、
次の行動に出るところに短気の長所が活かされる。
気が長いだけの人だと、勝機をのんびり見過ごしかねない。
相手の状況を見据え、じっくり待ちかまえることと、
瞬間的に勝機を見破る素早さを兼ね備えることが釣り上手の秘訣なのだ!

と言っても、私の勝手な仮説だが、釣り上手の「短気」は、
すぐにイライラする短気とは異なる深い意味があるに違いない。
これは、仕事上手にも通じる話しだ。
釣り好きの知人はもちろん、私のまわりの仕事上手は
ゆっくり待つ余裕と勝機を見破る鋭さを兼ね備えている。
ひと言で言えば「のんびりな短気」なのだ。
のんびりだけでも短気だけでもない、絶妙なバランスの持ち主たちである。